部品を頼むとき、査定を受けるとき、トラクターの型式と年式を聞かれます。書類が見当たらず、答えられずに困ることがあります。
先に結論をお伝えします。型式は機体に付いた銘板で分かります。年式はクボタ・ヤンマー・イセキが公式サイトで検索できるようにしています。いずれも無料で、誰でも使えます。
ただし、3社とも過去の全製品を載せているわけではありません。この記事では、公式で調べる手順と、出てこなかったときにできることをまとめます。
- 型式は機種の名前(例:KL245)。車体番号は1台ごとの番号で、別のもの
- 表示位置は取扱説明書に書いてあるというのが、メーカー共通の案内
- 年式は3社とも公式の検索で調べられる(無料)
- ヤンマーは1980年以降が対象。3社とも全製品は網羅していない
- 分からないときは、販売店やメーカーの窓口に機種・型式・車体番号を伝えて聞ける
トラクターの型式・車体番号はどこに表示されているか
型式名と製造番号は、機体に取り付けられた銘板に表示されています。金属のプレートや、貼り付けられたシールの形をしています。
「型式」と「車体番号」は別のものです
この2つは混同されやすいので、先に整理しておきます。
| 呼び方 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 型式(型式名) | 機種の名前。同じ型式の機械は何台もある | KL245、YT222 など |
| 車体番号(製造番号・機番) | 1台ごとに振られた番号。個体を特定する | 数字の並び |
相場の話をするときに使うのは型式です。部品の手配やメーカーへの問い合わせでは、車体番号も求められます。
表示位置は取扱説明書に書いてあります
銘板の位置は、機種や年代によって違います。そのためメーカーは、位置を一律には案内していません。
ヤンマーは公式のよくあるご質問で、型式名・製造番号の表示位置は取扱説明書の「サービスと保証について」のページに記載している、と答えています。
出典:ヤンマー よくあるご質問「農業機械の型式名はどこに表示されていますか?」
イセキも同じ考え方で、取扱説明書の「保証とサービスについて」のページに表示位置を載せています。
つまりまず取扱説明書を探すのが近道ということです。手元になくても、公式サイトで見つかる場合があります。
取扱説明書はメーカー公式サイトで探せます
| メーカー | 探し方 | 注意 |
|---|---|---|
| クボタ | 取扱説明書検索。型式名で検索するか、製品カテゴリからたどる | 過去に発売した全ての製品を掲載しているものではない |
| ヤンマー | 取扱説明書ダウンロード | 掲載のない機種は販売店へ |
| イセキ | お客様サポートから取扱説明書へ | 電子データの利用条件に同意して閲覧する |
クボタの検索窓には「KL245のような基本型式名を入力してください」と案内があります。枝番まで入れると出ないことがあります。
説明書が見つからない場合は、エンジン周りや運転席の側面を探してみてください。銘板が付いていることの多い場所です。
- 銘板を見つけたら、読める状態で写真を撮っておくと後の連絡が早くなります
- 汚れは軽く拭く程度にとどめてください。削ると刻印が消えることがあります
クボタ・ヤンマー・イセキの公式検索で年式を調べる
型式が分かれば、次は年式です。3社とも公式サイトに検索の仕組みを用意しています。
まず全体を並べます。
| メーカー | 名称 | 入力するもの | 分かること |
|---|---|---|---|
| クボタ | 製品販売期間・メーカー希望小売価格検索(販売年度検索) | 機種・型式・車台番号 | 販売時期(年式)と当時のメーカー希望小売価格(税別) |
| ヤンマー | 製造年検索 | 製品カテゴリと型式名 | 製造開始年と製造終了年 |
| イセキ | 製造期間・メーカー希望小売価格検索(旧型式) | 機種名・クラスなど | 販売開始年・販売終了年と当時の価格 |
クボタ|車台番号まで用意して検索します
クボタは「販売年度検索」で、販売時期と当時のメーカー希望小売価格を調べられます。トラクタだけでなく、コンバイン・田植機・管理機・耕うん機・草刈機・除雪機なども対象です。
検索には機種・型式・車台番号が必要です。銘板の写真を撮っておくと、そのまま入力できます。
ここで出てこない製品もあります。クボタ自身が「製品によっては販売年や価格情報をご案内できない場合がございます」と断っています。
その場合は、機種・型式・車台番号を確認したうえでクボタ国内農機カスタマーセンターに問い合わせるよう案内されています。
なお、トラクタ・コンバイン・田植機については、販売年度別の型式一覧を確認できるページも用意されています。
出典:クボタ よくあるご質問「トラクタの販売年度別型式一覧を確認したい」
→ クボタのトラクター買取相場|人気型式と評価されるポイント
ヤンマー|1980年以降が対象です
ヤンマーは「製造年検索」を公開しています。製品カテゴリを選び、型式名を入力すると、製造開始年と製造終了年が表示されます。
型式名は途中まででも検索できます。公式の例では、YT222 でも YT2 でもよいとされています。
出典:ヤンマー「製造年検索|アフターサービス・サポート|農業」
- 対象は1980年以降に製造された製品です
- カテゴリはトラクター・コンバイン・田植機・ミニ耕うん機・管理機・耕うん機です
- 全ての製品を網羅するものではなく、製造年月日までは特定できません
1980年より前の機械は、この検索では出てきません。その場合は後述の方法をお試しください。
イセキ|旧型式の製造期間を調べられます
イセキは「製造期間・メーカー希望小売価格検索(旧型式)」を公開しています。販売開始年・販売終了年と、当時のメーカー希望小売価格が分かります。
出典:イセキ「製造期間・メーカー希望小売価格検索(旧型式)|お客様サポート」
こちらも過去に発売した全ての製品を掲載しているわけではありません。イセキは表記内容について「発売当時の情報であり、参考情報としてご利用ください」と案内しています。
現在販売中の製品については、ヰセキ販売店への問い合わせを案内しています。
3社の公式検索でできることを比べる
3社とも仕組みは似ています。ただし対象になる機種と、分かる項目が違います。
| メーカー | 対象の機種 | 分かること | 注意点 |
|---|---|---|---|
| クボタ | トラクタ・コンバイン・田植機 | 販売開始年/販売終了年/当時のメーカー希望小売価格(税別) | 型式名の入力が必須。あいまい検索と先頭一致検索を選べる |
| ヤンマー | トラクター・コンバイン・田植機・ミニ耕うん機・管理機・耕うん機 | 製造開始年/製造終了年 | 1980年以降が対象。製造年月日までは特定できない |
| イセキ | 旧型式のトラクタ・コンバイン・田植機・耕うん機・脱穀機など | 販売開始年/販売終了年/当時のメーカー小売希望価格(税別) | 旧型式が対象。現行品は販売店へ問い合わせ |
3社に共通するのは、過去の全製品を網羅したものではないという点です。各社ともその旨を明記しています。検索に出てこなくても珍しいことではありません。
クボタとイセキでは、当時のメーカー希望小売価格も分かります。ただしこれは新品だったときの定価です。買取価格とは別のものとお考えください。
トラクター以外の農機具も同じ手順で調べられます
3社の検索はトラクター専用ではありません。コンバイン、田植機、耕運機・管理機も対象に含まれています。
手順は変わりません。銘板で型式を確認し、各社の検索に入力するだけです。
機種ごとに査定で見られる場所は違います。それぞれの記事で整理しています。
→ コンバインの買取相場と査定のポイントを解説
→ 田植機の買取相場と高く売るコツ
→ 耕運機・管理機の買取査定|小型農機の売り方
車体番号が読めない・銘板がないときの調べ方
長く使った機械では、銘板が読めないことがあります。サビ、泥、塗装の重ね塗りが原因です。
順に試せることを挙げます。
| 状況 | 試すこと |
|---|---|
| 汚れで読めない | 乾いた布で軽く拭く。削ったり溶剤を使ったりしない |
| 銘板が見当たらない | エンジン周り、運転席の側面、フェンダーの内側を順に見る |
| 銘板が失われている | 取扱説明書・保証書・購入時の見積書や納品書を探す |
| 書類も残っていない | 整備を頼んでいた販売店やJAに、過去の伝票が残っていないか聞く |
| どれも該当しない | メーカーの窓口に、分かる範囲の情報を伝えて相談する |
整備の伝票には、型式が書かれていることがあります。修理を頼んだ記憶がある販売店には、一度聞いてみる価値があります。
分からないままでも査定は受けられます
型式が分からないと売れない、ということはありません。査定する側は現車を見れば、おおよその年代と機種を判断できます。
ただし、分かっているほうが話は早く進みます。やり取りが減り、金額の根拠も確認しやすくなります。
無理に調べようとして銘板を削ってしまうほうが、かえって不利になります。読めないなら、読めないまま伝えてください。
調べた型式・年式は売却でどう使うか
型式と年式が分かると、提示された金額を自分で検討できるようになります。
ただし、年式だけで金額が決まるわけではありません。稼働時間・保管状態・作業機の有無のほうが影響する場面も多くあります。
| 調べて分かったこと | 次に読むとよい記事 |
|---|---|
| 年式が分かった | トラクター買取相場|年式・アワーメーター・メーカーで決まる |
| クボタだった | クボタのトラクター買取相場|人気型式と評価されるポイント |
| ヤンマーだった | ヤンマーのトラクター買取相場|型式別の傾向 |
| イセキだった | イセキのトラクター買取|評価されやすい型式と条件 |
| 思ったより古かった | 古い・中古トラクターの買取|何年落ちまで値がつくか |
| 中古で買った機械の減価償却に使う | トラクターの耐用年数は7年|減価償却と中古・寿命の違い |
| 動かない状態だった | 動かないトラクターは売れる?故障・不動でも値がつく理由 |
査定を受けるときの流れは、別の記事にまとめています。
トラクターの年式・型式についてよくある質問
型式と車体番号は何が違うのですか
型式は機種の名前で、同じ型式の機械は何台もあります。車体番号は1台ごとの番号で、個体を特定するためのものです。
相場の話には型式を使います。部品の手配やメーカーへの問い合わせでは、車体番号も求められます。
公式の検索に出てこない古い機械はどうすればよいですか
3社とも、過去の全製品を掲載しているわけではないと明記しています。ヤンマーの製造年検索は1980年以降が対象です。
出てこない場合は、販売店やメーカーの窓口に、機種・型式・車体番号を伝えて相談してください。
製造年と年式は同じものですか
厳密には別です。メーカーの検索で分かるのは、その型式が作られていた期間や販売されていた期間です。
1台ごとの製造年月日までは特定できないと、ヤンマーは明記しています。おおよその年代として扱うのが実際的です。
取扱説明書をなくしました。手に入りますか
公式サイトで閲覧できる機種があります。クボタは型式名で検索でき、ヤンマーもダウンロードページを設けています。
掲載のない機種は、販売店やJAへの注文になります。有料の場合があります。
型式が分からないと査定してもらえませんか
そのようなことはありません。現車を見れば、機種と年代の見当はつきます。
分かる範囲で伝えれば十分です。無理に銘板をこすって、刻印を消してしまわないようにしてください。
まとめ
- 型式は機体の銘板にある。表示位置は取扱説明書に記載されている
- 取扱説明書はメーカー公式サイトで探せる(掲載のない機種もある)
- 年式はクボタ・ヤンマー・イセキの公式検索で調べられる
- ヤンマーは1980年以降が対象。3社とも全製品は網羅していない
- 分からないときは販売店・JA・メーカー窓口に相談する。銘板は削らない
型式と年式が分かれば、売却の話は具体的になります。次は、その年式でどのくらいの評価になるのかを確認してみてください。
→ トラクター買取相場|年式・アワーメーター・メーカーで決まる

コメント